5月31日で、2年とちょっと働いたパナソニックを退社しました。最初半年ぐらいは研修だったので、実質1年半ぐらいで辞めたことになります。
辞めた理由はシンプルで、私はソフトウェアの開発がしたかったのですが、実際にはソフトウェアの開発が出来なかったこと。それから、社内の雰囲気が合わなかったことです。
もし今就活中、または来年就活の方で製造業を志望されているソフトウェアエンジニアの方がいたら参考になるかもしれませんので、少しだけ書いてみます。
ただ、大きな会社なので、部署によっては全然雰囲気が違うようで、楽しく仕事をしているところもあるようです。たまたま、私が合わなかっただけです。実際離職率は低めです。
それから、仕事の方針にはミスマッチはありましたが、部署の皆様には大変お世話になりましたし、私の考えに共感して助けてくださることもありました。特定の方を非難する意図はないことを申し添えておきます。
ソフトウェア開発について
私の部署では、絵に描いたような昔ながらのソフトウェア開発が行われていました。単価計算は人月とステップ数。仕様書を書く上流工程が重要で、コーディングは単純作業という価値観のもとでの開発です。当然正社員はなかなかコーディングに携わることができませんでした。
また、単純作業とみなされがちなコーディングを効率化しようとするモチベーションが少なかったのか、いくつか作業環境で疑問に思うところもありました。例えば、メモリ 1GB ぐらいの遅いマシンでビルドしている、ディスプレイが17インチ、きちんとしたソース管理がない、などです。PCスペックやディスプレイなどは入社の時期によってはそこそこいいものになるんですが、「壊れるまで使う」のが基本のためなかなか新しくなっていませんでした。
それから、入社してからプログラミングを始めたという方も結構いらっしゃったので、どうしてもサイエンスの面からのアプローチが弱かったと思います。オブジェクト指向を知らない(クラスって何? というような感じ)でコーディングしている方もいらっしゃったし、アーキテクチャ、計算量やアルゴリズムを純粋に議論することが少なかったように感じました。
「仕様書を書いて、たくさんの人間を使ってプログラムを作る」ことが大きな仕事をする、それが付加価値なんだと言っていた方も居たので、私の目指す方向とは決定的に違うなと思いました。
就活とのミスマッチ
パナソニックがグローバルチャレンジャーというキャッチフレーズで採用活動をしていることは、ご存じの方もいるかもしれません。私も海外で仕事をしたいと考えていました。ところが、入社して2年になりますが一度も海外出張はありませんでした。これも部門によっては最初の研修で海外に行くことがあるようなので、一概には言えないのですが...
海外と全く接点がなかったわけではなく、メールや電話でやり取りをすることもありました。ただ、自分の意志でやり取りをするのではなく、先輩社員が書いたメールの添削、翻訳になってしまうこともあったので少し不満でした。
「グローバル」は以上ですが、「チャレンジャー」のほうにも少しミスマッチがありました。
具体的には書けませんが、改善提案をしたときには「新入社員(または入社2年目)なのに」というリアクションがついてまわりました。中には「話を大きくすると、新入社員が思いつくようなこと何故今までやっていなかったのか」と問題になるのでと却下されたこともありました。
私の話し方に未熟な点があったのも事実ですが、残念でした。
男社会
技術系の会社ではよくあることだと思いますが、ほぼ完全な男社会です。100人ほどの部門でしたが、女性は私を含めても4, 5人でした。キャリアにどれぐらい影響があったのかはよくわかりませんが、日常的な話で「ん?」ということは多かったです。女性の人物評はまず外見で、「かわいい」「若い」というのがまず言及されていました。飲み会でも「女の子」と呼ばれてしまうし、そういう振る舞いを期待されることもありました。
まあ、男女集まればお互い様なこともあるし、女性側だっておじさんの悪口言ってるものなので、一方的な話になっちゃいますけどね...
まとめ
勤務環境としては、休みたくさん取れるし(年間25日付与されますし、完全消化できます)、残業もそんな壊滅的には多くないのでとても良かったのですが、ちょっと違うチャレンジがしたくなったので退職しました。明日からは違う会社で働きます。今までありがとうございました!明日からよろしくお願いします!
こんにちは。Twitterを経由してBlog拝見しました。
返信削除まずは会社を越えた人的ネットワーク作りをオススメします。
そのためにはソフトウエア開発関連コミュニティでの活発な活動等も重要です。
もし独り立ちできそうな時期が来た場合にはチャレンジしてみることもオススメします。
会社の中で従業員として保護と束縛の中で働き続けることを目指すか、独立して自己責任と自由の中で生きるかは価値観や個人的事情で変わると思いますし、フリーランスや一人会社にとってかなり厳しい社会情勢であることは確かですが・・・
ご活躍をお祈りします。
はじめまして。Twitterでこの記事を知り、心を打たれたのでコメントさせてください。
返信削除私の会社も似た状況にあり、私が目指したいところと会社の方針にずれを感じていて退職を考えているところです。
今の会社を続けていくことも一つの道ではあるですが、これから何年先もプログラマーとして生きたいと考えると続けるのは辛いので・・・
この記事を読んで、少し自分の考えにまとまりがつきました。
これから新しい会社やコミュニティで技術を延ばすことができるよう応援します。
> まもさん
返信削除ありがとうございます!
ご指摘の通り、コミュニティへの貢献がほとんどなくて、そこがネックになっています。 独り立ちしてみたい気持ちはあります! けど、自分で事業を起こせるほど、経験も能力もないと思ってます。
次の会社でもっとスキルを磨いてチャレンジするつもりです。
> Shindo200さん
ありがとうございます。
悩みますよね! 私も悩みました。 私の場合、どこかで読んだ「会社を中から変えることは不可能ではないけど、それに時間を使うほど人生長くない」という記事が結構印象に残っています。
期待を裏切らないようにがんばります! Shindo200 さんもがんばってください。
偶然ブログ記事を読ませて頂いたので、コメントさせていただきます。
返信削除ソフトウェア開発にご興味をお持ちのようですので、
ソフトウェア開発系の勉強会などに参加してみるのはいかがでしょうか?
私はウェブアプリケーション運用のお仕事をしています。
最近「DevOps」という海外で始まりだした、
ウェブサービス運営(企画から開発、運用のサイクル)関係のイベントに出席しています。
勉強会は意識の高く、フレンドリーな方が多くいらっしゃいます。
そこで気が合う方を見つけてみたり、
コネクションを作ったりするとより世界が広がると思います。
ぜひご参考までに。
twitter: @issei126
> いっせいさん
返信削除ありがとうございます。勉強会はついついタイミングを見誤って、出そこねてしまいます... もっと積極的に出ていけるようにします :)
自分もパナソニックを12月末で退職したので興味深く拝見いたしました。
返信削除管理部門だったのでちょっと趣は違うかもしれませんが。
たしかにソフトウェア関係で電機メーカーに行くと方向性が違うかもしれないですね。
自分のいた事業部も典型的な人月管理・極力新しいコーディングはしない(モジュールを使いまわす)・テスト工程の海外外注化、というような感じでした。
生産管理的な観点では正しいのかもしれないですけど、ソフトウェアの人的にはどうなんだろう…と思ってました。
お互い新しい職場でがんばりましょう!
blogosから拝見しました。私も以前メーカーに勤めていてソフトの部門を見た時まったく同じ事を思いました。
返信削除大手メーカーはソフトの人材をつぶすのがとてもうまいと思っています。
これからも頑張ってください。
企業で2年ばかりで期待していたのと違うので。。というのは粘りが足りないと思うもしくは、順番があるのでその順番を飛び越す能力とアピールが足りなかったのではと思います。P社さんでしたらそれなりの大企業ですし。
返信削除先輩社員とのコミュニケーションの中で風土を変え、チャレンジしていることを上職者、さらに2階層上ぐらいの上職者から認められる提案がなければね。
それが面倒なら小さい会社に転職することだと思います。
会社の大小を制約事項に入れずに自己実現は無理。
早期実現なら大企業でない方が、いいと思います。それのほうが収入も、実現も早い。悪いこと・・・あまりないかな。
なんかしらんが、がんばれ。
返信削除わたしも某大手電機メーカーにいたのでよく分かります。ソフトウエアの仕事をするなら特に日本の大手電機メーカーではだめですよ。早く見切りを付けた貴方は正解です。
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